独断的ビガー評価のページ

1999年11月に、1990年式ビガーの売り広告をインターネットで見つけ、これを中古で購入しました。

この車のことは、学生時代から知っていて、いつかは乗ってみたい車でありました。ただ、購入時は古い車の車検代(20万円)以下で買える車の一つとしてしかみておらず、どうしてもビガーを買いたいと思って捜していたわけではありませんでした。結局この車の状態が一番良かったために購入しただけでした。

購入以降毎日の通勤に使っていくに従い、この車が自分に馴染んできました。これまでRX-7から4tロングのトラックまで、いろんな車に乗ってきましたが、自分の用途にはこんなに適した車はないと言い切れます。2003年で13年落ちとなりましたが、新しい車に替える興味もありません。その後セドリックも入手し、家の前にはいつも家内が使うセドリックが駐車してありますが、わざわざ遠くの駐車場まで歩いてビガーに乗ってしまいます。

こんなビガーの特長について記録に残そうと思って頁を作りました。

 

目次

エンジン(2003年10月)
シャシー(2003年10月)
えんこ(2003年11月)
CB5とCC2, UA3, KA7との比較(2003年12月)NEW!

2003年10月

エンジン

ビガーはホンダ製です。ホンダと言えば、回すほどに元気になるエンジンです....というのは、昔から言われた錯覚の一つと思います。ホンダエンジンの多く(最近のVTECは違うと思う)は、中速トルクが持ち味です。特に、意図的かも知れませんが、エンジン給気音の消音が悪く、スロットルを開けたときに”クオーン!!”と言う音がします。さらにホンダは過給エンジンが少なく、アルミブロックですむため、車重も軽いため、この中速域の加速が魅力でした。

このビガーのエンジンG20Aでは、その給気音は効果的に消音されています。

一方、このエンジンの特長は、”直5”であることです。昔のアウディーなど以外にはない形式です。この振動問題解決のため、このエンジンにはバランスシャフトが入っています。このため、振動はほとんどありません。

ただ、アイドリングからレッドゾーンまで、独特のビートが聞こえます。これは、アイドリングでは振動するが高速になるとスムーズになる直4とは大きく違います。

このビートですが、なぜか音質が悪くないので、大変心地よいです。ギヤのうなりのような高い音が少ないためかも知れません。

2000回転までは大したトルクないのですが、トルクフルと感じられてしまいます。

よって、振動がないのに、ビートがあり、その音が悪くない......これらすべての要素が重なり、このエンジンを大変”心地よく”感じてしまいます。これは実際乗らないと理解できない感覚です。シャープでもパワフルでもないのに、ホントに心地良いのです。

この車に乗る前は、最も良いエンジンは、スムーズ・軽快でパワフルな日産のRB20DETだと思っていたのですが、考えが変わりました。スムーズであればよいわけではないようです。

表1 ビガーのエンジン

配列気筒数、弁形式 直列5気筒、OHC
内径×行程 82.0×75.6mm
排気量 1996cc
圧縮比 9.3
最高出力 160PS@6700rpm
最高トルク 19.0kg・m@4000rpm
燃料供給装置 電子制御燃料噴射装置
形式 G20A

ビガーはFF車ですが、このエンジンを縦置きしています。よって、FRと同じ位置にあるミッションまで回転を伝え、その後前方にプロペラシャフトで回転を伝え、ドライブシャフトがオイルパンを貫いているという独特なデザインです。

このあおりを食ったのがデスビです。カムシャフトの最後端に位置しております。エンジンはドライバーから見て時計回りに傾斜しており、その直下に排気管があります。デスビのオイルシールは漏れやすく、ここから漏れたオイルが排気管に落ちて焦げ臭いにおいを発することがあります。

さらに面白い配置は、バッテリーです。通常の車ではバンパー直後の左右どちらかのコーナーにあるバッテリーが、なんと助手席直前のバルクヘッド前にあります。それも巨大で高価な75サイズのバッテリーです。これがノーズ先にないために、後記する回頭性向上に寄与しているのかも知れません。

ただ、これで問題なのは、バッテリー液の消費が多いことです。ノーズ先の涼しい位置になく、バルクヘッド近くの最も暑い位置にあるため、熱で蒸発が促進されているようです。年に一度は補充してやらないと最下限ラインを下回り、充電性能が圧倒的に低下します。

2003年10月

2003年10月

シャシー

ビガーはシャシーもまた特長大きいです。

まず右の写真をご覧ください。前輪の先には短いバンパーしかなく、前輪の位置が相当前にあることがわかります。一方、後輪の位置は普通のセダンと同じくCピラーの真下です。これから、長大なホイールベースが分かります。

ホイールベースが長いということは、安定性が高く、直進がよい車になりやすいはずです。このビガーは、ほんとに矢のように直進します。

ホイールベースを全長で割った数値は、車の進性の指針となると思われます。排気量2000cc以上を持つ国産車のホイールベース/全長比をまとめてみました。これを表2に示します。

表2 主な日本製大型セダンのホイールベース/全長比(1993年モデル)

車名

駆動形式

ホイールベース

全長

ホイールベース/全長

ビガー

FF

2805mm

4695mm

0.597

レジェンド

FF

2910mm

4955mm

0.587

センティア

FR

2850mm

4925mm

0.579

セドリック

FR

2760mm

4800mm

0.575

ディアマンテ

FF

2720mm

4740mm

0.574

セルシオ

FR

2815mm

4915mm

0.573

センチュリー

FR

3010mm

5270mm

0.571

アリスト

FR

2780mm

4865mm

0.571

シーマ

FR

2815mm

4945mm

0.569

クラウン

FR

2730mm

4810mm

0.568

クラウンマジェスタ

FR

2780mm

4900mm

0.567

インフィニティQ45

FR

2880mm

5090mm

0.566

デボネア

FF

2745mm

4975mm

0.552

ウインダム

FF

2620mm

4780mm

0.548

この指標で見ると、ビガーは日本製大型セダンの中で、最も相対的なホイールベースが長く、直進性を良くしやすい車となります。また、ビガー以外は3ナンバーの車ですが、それより相対的なホイールベースが長いというのはちょっと驚きです。また、FFであるウインダムやデボネアが、相対的なホイールベース短いというのも面白いデータです。

ホイールベースの絶対値でも、ビガーより長い車はレジェンド、センティア、セルシオ、センチュリー、シーマ、インフィニティーQ45しかありません。これらはすべて全長4.9mオーバーのBIGセダンです(値段もBIG!)。

それでは全然曲がらない車か?と言われればそうではありません。前記したバッテリー位置後退などのため、定常的にはとてもアンダーステアの少ない車です。もちろん、低速コーナーなどでは、舵角を大きくとることが必要で、雨の日には前輪から流れることもあります。これ以外の場合、感覚的にはとても曲がりやすいです。これは後述するロールの少なさにも起因しており、ハンドルを動かすと、スイッと軽快に曲がっていく感じとなります。

よって、直進性がよいのに、曲がりはじめが早いと言うことになります。

ガラスを通してかすかに見える前席ヘッドレストは、前輪よりむしろ後輪に近い位置にあります。よって、ドライバーはホイールベースのほぼ中央に着座することになります。

私はこの5年間、朝食を車の中でとっています。家で食べると、通勤途中に下痢になることが多いからです。よって、パンと紅茶を持ち込んで、運転しながら食べるのですが、時に持ってきた紅茶がこぼれることがあります。サスが抜けたラングレーが一番ひどく、セドリック、ブルーバードも良くこぼれたのですが、ビガーはほとんどこぼれません。これがビガーの乗り心地の良さを一番表しています。

2003年10月

 

目次

2003年11月30日

えんこ

信号待ちしているとき、エンストしました。その後セルモーター回してもエンジンは始動しませんでした。

ギアをニュートラルにして人力で車を移動させたあと、エンジン見ましたが目視で異常を見つけられませんでした。電話で知り合いを呼んで、牽引してもらいました。

翌日ディーラーに預けたら、イグナイター故障とのことで、1日で修理完了でした。費用は7500円でした。

帰ってきたら、車はご機嫌になっています。やっぱりビガーはいい。

この間3日ですが、車を廃車することまで想定し、次の車選びを始めていました。CB5の超有名サイトStraight 5(http://www.geocities.co.jp/MotorCity/3799/)の管理人VIgor2000氏にも相談させていただいたのですが、この車の後継車のUA2は、軽快なCB5に比べて、もっさりしたのり味だそうです。軽快な感じが好きなら、走行少ないCB5やCC2を捜すしかないとのことでした。

2500ccのUA2より、2000ccのCB5のほうが軽快とは、何とも不思議です。私はCC2もUA2も乗ったことはないですが、セドリックなど他の車と比較した限り、2000ccでこれだけ”軽快”な車は珍しいと思います。車重が軽く、ロールやピッチが少ないため、車の動きが直接分かる点が”軽快”感を生んでるのでしょう。

車検切れまであと1年半ありますので、これからゆっくり車探しします。

目次

2003年12月14日

CB5とCC2, UA3, KA7との比較

ビガーがえんこしてしまい、車探しを始めました。もちろん中古車です。

CB5を最高に気に入ってますが、乗り換えるなら他の車に替えてCB5になかった何かを付加させたいとの思いもあります。CB5の良いところはそのままに、静粛性や、低速トルクなど、後継車種であるCC2やUA2,3などはもっと良くなってるかも知れません。また、ホンダ最高級車のレジェンドにも興味あります。CB5ユーザーとしてこれらの車とCB5を比較したくてたまらなくなりました。

実際、CB5からこれらに乗り換えた人は、かなりいます。そのような人のホームページを読みまくりました。しかし、ほとんどのページは、自分の愛車の写真が主でした。また、各車の説明があるにせよ、ページ中に分散していて比較しにくい場合がほとんどでした。

よって、ホンダ製大型セダンの比較をクールに行っているページを作りたいと思いました。

下記に私が最近試乗させてもらった車と、CB5との違いを”独断的に”まとめました。これらは私が乗った中古車に対する印象です。これらは、CB5以外、5分、最高速度90km/hの短時間試乗の印象です。また、個体差や車歴(事故歴など)の差によるものかもしれません。

車種   

 

CB5  ビガーType-E

 

CC2  ビガーType-W

(No Photo)

UA3   セイバー32V

KA7 レジェンドβII

年式、距離 平成2年、13万キロ?(記録簿なし) 平成7年、9万キロ?(記録簿あるが記載なし) 平成8年、11万キロ 平成5年、9万キロ
タイヤ幅 185(冬タイヤ) 205 205(冬タイヤ) 215
エンジン 2000cc、G20A、直列5気筒 2500cc、G25A、直列5気筒 3200cc、C32、V型6気筒 3200cc、C32、V型6気筒

低アクセル開度トルク

トルクの立ち上がり中

トルクの立ち上がり大

トルクの立ち上がり小

トルクの立ち上がり小

高アクセル開度トルク 回転上がるに従い、トルクが出てくる。心踊る感じ フラットトルク、トルク変動少ない 回転上がるに従い、巨大トルクが出てくる 回転上がるに従い、巨大トルクが出てくる
アイドリング振動・音質 振動中 振動ほとんどなし 振動大きい 振動小
高回転振動・音質 振動ほとんどなし

音質良

振動ほとんどなし 振動ほとんどなし 振動ほとんどなし

轍乗り越え性 

ほとんど進路を乱されない。

CB5に近いが、若干修正が必要。  

4車中最大の修正必要。微舵与えると、パワステが直進位置まで強制的に戻す違和感あり。   

修正必要。社外タイヤが太いせいかも。

直進性   

優秀

ちょっと右にハンドル取られた(右前輪に偏摩耗あったため、個体差かも知れない)

優秀

最高

乗り心地 柔らかく、若干ピッチングあり。 CB5より若干硬く、ピッチングも少ない。 (良く覚えていない) 最高にフラット。CB5より硬い乗り心地。
静粛性 エンジン音は4車中最大。

細いタイヤはいているせいか、タイヤノイズは最も静か。

なぜかCB5より若干静か。

エンジンが静かで、タイヤノイズは若干聞こえる。

優秀な静粛性。

タイヤノイズが4車中最も大きく聞こえる。

ドアを閉めたら、密閉されるような感じ。

エンジンが静かな分、タイヤノイズが若干聞こえる。

アイドリング時以外は静かです。ただ、回せば無音ではない。

室内 狭い。トランクスルーなし(Type-E)のため) CB5と同じく狭い。トランクスルー有(Type-W) CB5より広い。 CB5より広い。

CB5対新型車種   

ノーマルなのに、回転上がるにつれて排気、給気音が響いて心地よいです。

アイドリング以外振動はありません。

静かで、最もCB5に近く、運転しやすいです。全域で力強くなってます。

ただ、回転上がっても躍動感は増しません。

後継車種と思えないほど、CB5と違った感じののり味です。

シフトがゲート付きなこともあり、内装はCB5よりずっとモダンな感じで、ずっと安楽な車です。

より重いKA7より軽快感がふえてるように思えないのはなぜか分かりません。

いつかはレジェンド!

でも、ぽんとアクセル踏んだときの車の出方は、CC2のみならずCB5の方が上でした。これは意外。

黄色に塗り潰したのが、各項目の比較で最高と思った車です。私が乗った車の比較では、CB5はベストです。この結果は非常に意外でした。普段通勤に1人でのり、たまに後席にお客さんや同僚を乗せるという用途では、広い車内はさほど重要でないためです。また、CB5はレギュラーガスで乗れる5ナンバー車なので、維持費も少なくてすみます。

CB5の低速トルク自体は大きくないのですが、ぽんと踏んだときにぐっとトルクが立ち上がります。これがいいです。その後5気筒のビートと和音の音量が増えつつ、トルクが出てきますが、振動は出ません。

これが、なんか、楽しいのです。すごい速度出したり、コーナーを攻めなくてもよいのです。通勤や買い物で交差点曲がったり、加速したり、そんな日常のシーンで車に乗ってる喜びが生まれます。こんな”ころがして”楽しい車はないかも知れません。

また、細いタイヤはいているせいか、舵のすわりがよく、修正をほとんど必要としないので、長距離走っても疲れません。

よって、これらの車の比較では、CB5を徹底的に直すか、CC2に細いタイヤ履かせるのが良いのかなと思います。CB5の良い出物がなくて、困ります。

   

   

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